KUNSTARZTでの4回目の個展。
ここでも「私の幸せ」と「あなたの幸せ」はちょっと違うかもしれない、というようなことがテーマとなった。
「母である日」
子供を産んで、なかなか母子をテーマに制作することはなかったが、この作品で初めて取り扱った。
自分はまだ子供との距離感がつかめていないと感じることがある。
子供は自由で、悪気はなく他人のペースを乱してしまう。
理想の母親像を持ちながら、どうしても理想の母親になりきれない、そんなことを日々感じている。
だから今の私の母子像は、その手を子供に絡ませることができずに、自分の「幸せ」を求めてしまう化け物のような姿となっている。
「あの子の結婚、これであなたは幸せになれます。」
インターネット上に様々な情報があふれるようになってから、「結婚」は必ずしも幸せのイメージではなくなってきているように感じる。
多様化が求められる現代において、結婚は聞きかじった情報によって不安を感じるものになってきてはいないだろうか。
好きな人と生活を共にできる。ただそれだけで結婚を決めるにはあまりにも情報であふれている。
そんなことを感じながら制作した作品。
「映える(ばえる)」
ホテルのスイーツビユッフェに行った時、お腹を空かせてお皿を持ち、並んだ先では参加者が一斉に写真を撮りだす光景が広がっていた。
もちろんその間は一切スイーツには手を出してはいけない。
無言でスイーツの写真を撮り続ける彼女たちは、私の目には異様に見えた。
彼女たちは何枚も、何枚も写真を撮り続ける。
そのカメラ越しにはなにか私には見えない、とてもスキャンダラスで、何枚もの写真に収められるべきものが映っているのだろうか。
その時間は長く続き、お皿を持ったままの私はただその光景を見続けた。
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